うちは来客が多い方で、大抵たのしい時間をすごさせてもらうのですが、何かあって涙を流す来客もたまにあります。大人になって涙を流すほどのことって、どうしてあげることも出来ない事が多く、大体が自分自身で乗り越えなくてはならないことだったりする。
そんな時私は、ただ ご飯を作るのです。
「食欲ないから・・・」と必ず言われるんだけど。
相手の気持ちを手探りで想像して、作るメニューはいつもこれ。
おにぎりと、具沢山の味噌汁と、甘めの卵焼き、それと小さな煮込みハンバーグを沢山。
あまりバランスの良い組み合わせではないけど、簡単にいえば、子供の頃にお母さんが作ってくれた誰もが好きなメニューです。
味噌汁は日本人であれば、大抵の人がホッと落ち着くでしょう。焼きめがついた甘い卵焼きもなんだか優しい味。
ハンバーグはハーブなど複雑なものは使わないで、ケチャップとウスターソースで煮込み、食欲がなくても食べやすいように小さく、沢山作るのです。
おにぎりは、心をこめて、具はかつお節やシャケなど、オーソドックスなもので優しくふんわりと握ります。
よく地球最後の日に(そんなの来ないでほしいけど..)何を食べたい?とか言いますが、私はおにぎりだな、出来れば母の。
「本当に食べないの?・・・じゃあ、食べてるね」と言って食べ始めてから暫くすると「ちょっとだけ・・・食べてみようかな」と箸を持ってくれる。小さなハンバーグやおにぎりに何度か手がのびて「結構食べてるじゃ〜ん!」と笑わせる。
でも「手料理って・・・いいね・・・」と更に泣かせてしまったことも。おっとと...
手料理って、そういうものだと思う。
これからも例えば家族にも、食欲がない時やここ一番の時などに登場する我が家のおきまりメニューだな。